食 用 菊
2002年 4月

ヒョンなことから、長野県に住んでいる会社時代の大先輩から食用菊を作ってみないかと進められ
浜名湖に遊びに来られるのを機に持ってきて頂けるということでチャレンジしてみることにした。
ここで少しネット検索で「食用菊」ついて調べてみたところ、以下のようなことが書かれていました。
食用菊は、古くから漢方薬に利用され、解熱作用や頭痛、めまい、頭がほてる等の症状に効果がり、リラックス効果が高く、自律神経を安定させる働きがあるということのようだ。 これは、菊花の香りの成分テルペンが、イライラを取り除いてくれるためだと言われている。 このほかにも、菊の葉をしぼってマッサージすると、あかぎれやしもやけにも効果があるとか、アルカリ性の食品だから毎日食べ続けると、血管内のコレステロールを除去したり、固まった血液を溶かす働きがあるなど高血圧、狭心症、脳動脈硬化の予防にも効果があるといわれている。 また、老人のボケ防止にも良いという話も…。 まさに食用菊は健康にぴったりのヘルシー食品のようだ。


食用菊栽培のイロハ
(食用菊を持ってきた時に持参頂いた虎の巻

< 株苗の越冬 >
1.冬になる前に、苗株にする株の芽を全て取り、根についた土も除去し新土の中に植え込み温かなところで越冬させる
2.水分は、様子をみながら少しずつ補給する。

< 仮植(挿し穂苗の育て方) >    今回の菜園日誌はここからスタートします。
3.春先に芽が動き出したら少しずつ日に当てる時間を増やしていく。
4.健全な10cm程度の差し穂に育ったところで切り取って差し苗に移る
5.苗床は、「赤玉土」か「山土 + もみ殻くん炭」を使い、7〜8cmの差し穂を2〜3cm埋め込み覆いを掛け5日おきに保水
  すると2週間程度で発根する。 苗床は、トロ箱などを利用すると良い。

< 本植え(定植) >
6.本植えは、PH6.5程度の土質に元肥は化成肥料で、20cm間隔で2条植えにする。
7.育成してきたら、条間に充分な敷藁か有機質多い腐葉土を敷く。菊は腐葉土を多くするほどに良好なり。
8.草丈が15cm程度に育ってきた段階で摘芯する(摘芯は一度だけで良い)と条間の見えないくらいに株別れする。 根本
  からの余分な 脇芽は取り除く。 また、摘芯については、15cmを大きくかけ離れてから実施すると徒長して苗が弱くなる
  ので注意が必要です。 
< その後の管理と開花 >
8.土の乾燥を防ぐことから、根本に敷藁を施すと良いそうです。 また追肥についても、定植約一ヶ月後くらいに実施する。
9.開花については頂だいた方の長野では、「金からまつ」(黄色の花)が8月の終わり頃で、「もってのほか(別名:延命楽)」
 
(紫色の花)」が11月に咲くとのことです。

 次年度は、この繰り返しで、決して古株での栽培は持ち越さないこと。 また、菊は古土からの病原菌に弱いので越冬時と
 差し床の新土は必須条件です。



栽培のイロハを参照しながら、出来るだけ忠実にやってみます。 \ (*^-^*)/ ガンバッ
 
  • 株苗の鉢植え  4月10日 (日付は撮影日)
 株苗が長野を出発したのが、7日であったことから、水
 苔でしっかり保水をして頂いてはあったものの、鉢への
 植え替えをした時点では写真の通りかなり萎れてしまっ
 ていた状態で大変心配した。

 鉢の底に頂いた時のみず苔を敷き、その植えに種蒔き
 用と育苗用で使っている2種類の土を混ぜ合わせて、
 株根をしっかり植え付けてから充分に水を掛けておき
 ました。   
  • シャキっとしてきました  4月14日  (鉢植えより4日目)
たった4日間のことですが、温室の中で活き
活きと育ち始め見違えたように青々してきま
した。
左側の鉢 : 「金からまつ」、 花の色は黄色
右側の鉢 : 「もってのほか」で、花は紫色

若干、芽の出方が少ないのが気にな りますが・・・。(笑
 なにやら、先が本当に楽しみです !!  
  • ここまで、成長しました。  4月25日
     (鉢植えより15日目)

 こんなに早く大きくなるとは思ってもおりませんで
 したが、2週間程で、穂苗もかなりの大きさ迄に
 伸び てきました。
 虎の巻では、「10cm程度に穂苗が育ったら・・・」
 とありましたが、一斉には挿し穂用の苗も成長し
 ないため、少し待っていたところで植付けするタイ
 ミングを待っていたら、大きいものは14〜5cm程
 にま で育ってしまいました。 15〜6本は植付け
 が出来そうです。
 早速、苗床用の土を買い求めにでかけました。

  • 挿し穂苗作り   4月26日     (鉢植えより16日目)
苗床には、底部に水穴のあいた育苗用の
箱を使うことにしました。
行きつけの「芽ぶき屋」で、用土は細菌の
最も少ない「バミーキュライト」が良いとの
ことで、これに決定。この他根の活着を良
くするために「オキシベロン」という発根促
進剤を購入しました。 (粉末で、白い部分が塗布した状態です)
  • 保水対策はこれでよいのじゃろうか?
      4月27日 (17日目)
 育苗箱に定植後、5日毎の保水をどのようにし
 たやり方が良いのか1日経過した苗床を確認
 すると、バミーキュライトはシットリ保水されて
 いるが、葉が少し元気がないので水揚げを良く
 するために、下葉を払って対策をした。
 保水対策には、菜園用に購入してあったスプリ
 ング線を利用し写真のように作ってみた。
 温室の外でこんな感じで居座わってます。
  これでうまく根が出てたら拍手喝采です。
  • しっかり発根しました  5月13日 (33日目)
バミーキュライトを使用したのは、初めての経験だったので
すが、一度の給水しただけなのに、長い間保水しているもの
なのですね。 最初はチョット心配だったので、3日目位に指
先を差し込み確認してみたのですが、充分湿っていました。
     結果的には、バミーキュライトはお薦めだと思います。
4月27日に穂苗を植付け以降、苗株から穂苗が育ってくる
のを待って2回ほど追加で穂苗の植付けをしました。
最初の穂苗を植え付けてから、2週間を過ぎたところで確認
してみましたら、しっかりと根が張っていました。  
  • 定植しました  5月30日 (50日目)
 定植を5月20日に実施しました。
 PHについては定かではありませんが、やや酸性
 土壌が良いと言われておりましたので、特に何も
 せず元肥を置いただけで定植しました。

 この写真は、昨日撮影したもので、定植から10
 日ほど経過しました。 草丈については、12〜
 15cmくらいに伸びてきていますので、今日摘芯
 をしました。(右写真)
 今のところ、極順調にいっているようです。
  • はて、さて・・・  6月11日 (62日目)
ふた月が経過しました。
通常の野菜のことなら、おおよそのことは解るのですが
菊などは、全く今までに経験もしたこともまた、知識もな
く育っていく過程がさっぱり解りません。

そこでまたまた元株を頂いた大先輩にメールで確認。
このままの状態でOKとのことでした。
もっと成長した段階で、株元から脇芽が吹き出してくる
ようで、これは取り除く方が良いとのことでした。  
  • 随分大きくなりました。 そして花芽が
      6月28日 (79日目)
 草丈は、大きいもので35cmくらいに育ってきました。
 「阿房宮」の方は、最初の根付きも良く、順調に育って
 きています。 今日気がついたのですが花芽を、あち
 こちに見かけました。 少し早すぎるような気もします
 が様子を見ていくことにします。
 「もってのほか」の方は同じように育ててきたつもりです
 が、根付きが遅かったこともあり、やっと草丈が20cm
 くらいと育成の勢いがやや悪いようです。(向こう側)
 この先がどのようになっていくのでしょうか?
  • 蕾がふくらみ始めました  7月17日 (98日目)
草丈がそれ程伸びていないにもかかわらず花芽が見え
はじめましたので、心配で株苗を戴いた長野の先輩に
メールを入れたところ、若干早いようですが気候の違い
もあるのでは? とのことでひと安心。
この分ですと早いものは20日過ぎには開花でしょうか。
長野に比べると、一月も早く開花とは・・・。

それでも、草丈は大きくなったとはいうものの、50cm位
とやや小振りのような気もしますが、軸は太くしっかりは
しています。  
  • 金からまつの開花
    7月25日(106日目)
何故か「金からまつ」の中の一本 だけですが開花が始まりま した。
左端が17日、中が 21日、右側が25日の順 です。

26日から、泊まりのツー
リングに出かけますので
帰ってくると満開になって
のでしょう。 (*^-^*)ノ
  • はたして狂い咲き
    7月30日 (111日目)
ツーリングから帰ってくると矢張り開いて
いました。
この品種は本場の寒河江では7〜8cm
とのことですので、見事「合格」でしょうか。
でも何故かしら1本だけが早めに咲いて
いますので、全てが咲き誇るのはチョット
先のことになるのでしょうか。
「もってのほか」は、いまだに蕾は見えて
おりません。  
  • 再び、見事に開花   9月28日(166日目)

実は、この後で蕾を持ったものが少しずつ咲き始めまし
たが、食べるためには数量も少なく取りあえずは観賞
をしておりました。
その後、8月15日より北海道にツーリングに出掛け、家
を10日ほど空けて帰ってきたところ、花は殆んど枯れて
茶色になっていました。 しかし良く見ると、あちこちに
無数の蕾が見えておりました。
但し、花のサイズは6〜7cmとやや小振りになりますので、これは余分な枝を剪定をすることによって花を大きくすることが可能です。

  • 収穫した菊の花 (金からまつ)
      9月28日(166日目)

早速、大きくなった花を摘み取りました。
花は首のところを折ると簡単に指先で切り
取ることが出来ました。

摘み取った花のはなびら(花弁)を花芯を残
して取ってザルに取りました。  花のサイズ
6〜7cmのものが約30個程です。
これだけあれば、チョットした料理にはもって
こいですね。


折角摘み取った菊の花を調理してみました。
と、言いましても初めてのことでかなり手抜きな調理ですが、美味しく頂けました。

こ こをクリックすると調理のサイトにジャンプします。


  • 「もってのほか」に蕾が  10月13日(181日目)
「金からまつ」は、 苗の段階から順調に育ちましたが、こちら は、思ったよりも出来が悪くて少しまばらになってしまい ました。

それでも、10月に入って小さな蕾が見えてきたと思ったら、ここにきてかなり大きな蕾になりました。
多分この様子ですと月末には花を見せてくれるでしょう。チョット数が少なそうなのが気になりますが・・・。
  • 開花しました(もってのほか)
      11月10日(209日目)
11月に入るとかなり蕾も大きく膨らんできた。
一つだけですが、5日に立派な花が咲きました。 こ こ
クリックすると綺麗な花が見れます。

「金からまつ」とは違って、主軸の成長が良くかなり伸びてきて いるのと軸そのものが細く花が大きいために、殆んどが頭を垂れてしまう。
菊の花を摘み取って生で食べてみると、これまた「金からまつ」よりも、口の中に残る甘味の感じが強いように思います。

終 わ り

金からまつ」も「もってのほか(正式名は延命楽とか)」も無事に開花まで到達することが出来ました。
あとは、来年は今回の失敗を繰り返さないように、苗作りからチャレンジしたいと思います。

<< 栽培後記 >>

食用菊を頂いた時に、黄色の花は「阿房宮(あぼうきゅう)」ということでしたが、阿房宮は花の色は黄色ですが
花弁「平弁」なのですが「筒弁」でした。 開花時期が7〜10月ということから考えると、金からまつ
正しい花の名前ではないかと思いますので、このホームページでは金からまつとして記載しました。

尚、「金からまつ」は、一旦7月終りにあまり沢山ではありませんが開花し、本格的には9月後半になって
沢山の花を咲かせることがその後の栽培を続けていく中で確認できました。 「もってのほか」は一度咲きです。



現在は栽培しておりません